男性Aさん(25歳)に話を聞きました。
平成27年3月から平成29年6月までの、2年3ヶ月です。栃木工場で働いていました。栃木工場はGTRやZ、スカイラインヤフーガなんかを作っていました。
大学の時に就活に失敗しちゃって、とにかく何かやってお金を稼がなくちゃいけなかったんで、期間工になりました。
期間工って、仕事が終わると考える時間はいっぱいあるんで、稼ぎながらこの先どうするのかを考えることができましたね。
都内のホテルが選考会場でした。派遣会社の人から「スーツじゃなくても大丈夫ですよ。ただし、あまりラフになる過ぎないようにしてください」って言われていたんですが、自分はスーツで行きました。
筆記試験のあと、面接担当官と面談形式で面接試験をしました。聞かれたことは志望動機や健康状態、中でも体力面ですね。それと趣味やバイトも含めてこれまでの経験なんかです。
あと、入れ墨はしていないかどうかも聞かれました。それと変な借金がないかどうかも聞かれましたね。どの質問にもポジティブに、ハッキリと答えたのが良かったかもしれない。
体力面では中学から大学までラグビーをやっていたんで、すごく自信があると答えたら、だからそんなにガッシリした体をしているんですねって、担当官が感心していましたね。
自分はスカイラインの組み立てラインで、内装品の取り付けをやっていました。単純作業なんですが、流れていくスピードに慣れるまでは、かなり大変だったかな? それに、せっかくきれいに塗装したボディーに傷つけちゃ拙いんで、緊張しまたね。
でも、すぐに慣れました。1ヶ月もしたときは、当たり前に仕事してましたから。
給料は時給制でしたね。金額は確か1,200円だったかな? この基本賃金をベースにして、残業や夜勤手当、休日出勤なんかの手当てを入れて毎月だいたい30万円ちょっとあったと思います。残業や休出が多い月は35万円ぐらいあったと思います。
これに契約更新の時に満了金が出るんで、年収は400万円ぐらいになっていたと思います。若者にとってはかなりいい収入ですね。
寮は少し古い感じがする白鷺寮で、工場まで歩いて5分ぐらいのところでした。ワンルームの完全個室でした。部屋はさほど広くはないけれど、エアコンなんかの生活家電と備品はついていたんで、不自由はなかったですよ。トイレや風呂は共同です。
食堂が付いているんで、食事の支度を自分でしなくてもいいから、楽でしたね。あと、コンビニや居酒屋も近かったから、帰りに弁当を買ったり、居酒屋で一杯飲みながら飯食ったりしてました。
ちょっと古い感じがするのを除けば、生活にまったく不自由はなかったですね。ただ、ちょっと変な奴がいたのは参ったけれど。
きつかったことはどんなに長くても35ヶ月しか働けないんで、精神的に安定感がなかったことです。まあ、自分の場合、2年ちょっとで辞めたんであまり関係ないかもしれないですが。
それと、毎日が同じことの繰り返しなんで、仕事に変化がないっていうのは、かなりきつい感じがしました。やってもやって終わりが見えないから、何となく精神的につらくなってきます。まるで自分が機械の一部になったような気がするんです。これ、結構きついですね。そんな時は「俺は機械だ」って、自分に言い聞かせると、案外楽になります。
よかったことは、いろいろな人と知り合えたっていうことですね。今の会社も親しくなった同期の奴の紹介で入社できたんで、期間工万歳です。
もちろんそいつとは今もいい付き合いをしています。そいつはこの仕事が嫌いなんで、この親戚の会社には入らないで、現在は工務店の営業をやっています。自分もそいつも頑張っています。
たまに飲みに行くと、お互いに頑張ろうっていう感じです。いい仲間であり、いいライバル的な奴ができたのは、期間工になったおかげです。
人間関係はよかったと思っています。社員の方たちも、自分たち期間工を顎で使うような感じじゃなくて、きちんと接してくれました。
期間工同士も変な奴を除いて、お互いに挨拶をしたり、世間話的な会話もします。同期の仲良くなった奴も交えて、休みの時は何人かで街に出かけて飲み食いをしたりもしましたから、人間関係はよかったと思います。
ただ、どこに行っても変な奴は必ずいるんで、まあ、そういう奴とはあまり接しないようにするしかないですけどね。
初めのころは親しい奴もいなかったんで、掃除&洗濯っていう感じでした。それが終わると、近くの飲食店で昼飯っていうより、軽く昼飲みをしてから飯を食うっていう感じでしたね。
親しい奴ができてからはお互いの部屋を行き来したり、さっきも言ったように誘い合って街に出て飲み食いしたりしてましたね。
退屈するっていうことはなかったです。
う~ん、特にこれといったことはないですね。ただ、さっきも言ったように、仕事が単調で、毎日同じことをやらなくちゃいけないんで、それに耐えられるようにならないと、早々と辞めることになりますね。
自分が機械の一部になったような気がするから、そんな時はさっきもいったけれど「俺は機械だ」って思いこんで仕事をすると、変な疑問がなくなります。
頑張ってください。
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